2011年3月27日日曜日

第二回録音賞 2004年度

映画作品部門

最優秀録音賞   弦巻裕氏 
『誰も知らない』 「誰も知らない」製作委員会

最優秀音響効果賞  伊藤進一氏
『海猫』 「海猫」製作委員会

奨励賞      郡弘道氏
『スイングガールズ』 フジテレビジョン・アルタミラピクチャーズ・東宝・電通

 「録音賞」映画作品部門 審査報告 
2005年4月16日(土)17日(日)の両日、株式会社IMAGICA第一試写室において、第2回「録音賞」の審査上映が行われた。この試写室は、THXに基づく劇場再生規格で、最良に近い上映環境を得ることが出来た。審査上映後、同所で審査会議が行われ、慎重審議の結果、次の通り受賞者が決定した。

最優秀録音賞 「誰も知らない」  弦巻 裕氏
 〈受賞理由〉同作品は、子供の出演者が多く、同録を自然な形で行うために、ワイヤレスマイクを使わず、指向性の強くないマイクを使うなど、セリフの収録を工夫し、見事に成功している。また、街の雰囲気を大切にした効果音の扱いも優秀で、セリフ、効果音、音楽の全体的バランスの良さ、不必要な音源をカットした大胆さなど、音の処理に的確性が認められる。

最優秀音響効果賞  「海 猫」     伊藤 進一氏
〈受賞理由〉作品の主題でもある、海猫の声を実にうまく自然感を持たせて作り上げている。海猫が段々増えて行く場面は、実にリアルで臨場感があり、秀逸である。 その他、浜の波音、舟の音、櫓の音、海鳴り、山場の豪雨の中の対決など、抑え気味ながらも的確に収録されて、ドラマを盛り上げている。

録音奨励賞 「スウィング ガールズ」 郡 弘道氏
〈受賞理由〉同録では、若い女性特有の甲高い所をうまく抑えて、セリフは聞きやすく、音楽、効果音とのバランスの良い。特筆すべきは、ろくに楽器を扱ったことのない高校生が、音を出すための基礎訓練から、段々うまくなって行く過程が、同録とプレイバックを併用して実にうまく収録されている。 ラストの音楽会のスウィングがスッキリと気持ちよく、全体の音楽設計、音響設計も優秀である。

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協会賞部門 
≪新人賞≫高野泰雄氏 『半落ち』
≪功労賞≫松本隆司氏   石井茂氏  故・神保小四郎氏

人奨励賞 「半落ち」     高野 泰雄氏
 〈受賞理由〉セリフのアンビエンスに気をつけて、良く調整し、遠近感を持たせる収録も成功している。セリフのキャラクター設計や法廷場面の響きなど、歯切れ良く、細かい気ずかいで、ドラマの盛り上げに貢献している。音楽、効果音とのバランスも難のある所が少なく、全体的に良好である。 新人ながら、技術的にも優秀と認められた。


審査委員会(順不同、敬称略)
委員長・・・八木 信忠
委員・・・内田 昇一、岡本 幹彦、鈴木 良典、松本 隆司、橋本 泰夫、林 鑛一、多良 政司、井上 秀司、鈴木 功、秋本 彰

援助金協力社 (順不同)
(株)IMAGICA 
(株)IMAGICAウエスト 
(株)映広 
(有)カモメファン 
(株)フェアライトジャパン 
(株)東京テレビセンター 
日活(株) 
アオイスタジオ 
(株)松竹 
(株)映像京都 
(株)東映 
(株)東京撮影所
報映産業(株) 
(株)東宝 
(株)東宝スタジオ 
(株)ユルタ

ありがとうございました。